お客様の声

2025.09.09

投稿日 2025.09.04

「正しい制度理解がブランドを守る」カゴメ×三生医薬の交流

たけした_6

たけした

こんにちは!三生医薬 マーケティング部のたけしたです。

このページでは、「読み手になんらかのヒントを持ち帰っていただく」ことをポリシーとして、過去にお客様との対話から得られた示唆やそこからの学びを整理し、実際のお客様の声とともに紹介していきます。

「トマトの会社から、野菜の会社に。」というビジョンを掲げ、人々の野菜摂取に対する意識変容と行動変容を促進する様々な施策を展開されているカゴメ株式会社(以下、カゴメ)。

トマトジュースや野菜ジュースだけではなく、野菜の持つ成分を活用した「カゴメリコピンコレステファイン」や「スルフォラファン」などのサプリメントも販売されています。


そんなカゴメから三生医薬へ半年間の企業間留学制度を利用して、機能性表示食品制度に関わる様々な部署と交流をしていただいた食健康研究所の中澤さまにお話をうかがいました。中澤さまは、普段、カゴメでは主に野菜の機能性研究や、機能性表示食品の届出資料の作成などの業務を担当されています。

「機能性表示食品制度は、安全性と機能性の科学的根拠に基づき、事業者の責任で食品に機能性を表示できる制度です。売ることを考えたらキャッチーな表現に頼りたくなることもありますが、なんでもありではいけません。機能性のエビデンスを司る部門として、きちんと科学に立脚し、適切な表現を目指すこと。私たちはそのためのゲートキーパー的な役割を担わなければいけないと思っています。」そう語る中澤さまからは自社ブランドに対する誇りと強い責任感が感じられました。

 

事業者の責任が問われる機能性表示食品。

今回のインタビューでは、そんな中澤さまに売るということだけでなく、制度を正しく理解し、またサイエンスに真摯に向き合い自社のブランド価値を如何に高めていくかということについてお考えをうかがいました。

1.企業間留学の背景

T字型人材育成の一環として始まった企業間留学 三生医薬を選んだ決め手は川上から川下までのサポート体制

  • 三生医薬へ企業間留学をされていたカゴメ 食健康研究所の中澤さま

たけした:2023年に三生医薬に企業間留学をされていましたが、企業間留学をされた背景について教えてください。


中澤さま:カゴメの研究所では、いわゆる“T字型人材”の育成を推進しています。縦軸となる専門性は日々の研究業務で伸ばせますが、横軸である「幅広い視野」は、なかなか自社内だけでは難しい。そこで、社外での経験を通じてその横軸を広げるため、企業間留学の制度が導入されていました。


たけした:数ある企業の中で、なぜ三生医薬を選んでいただけたのでしょうか?


中澤さま:三生医薬さんは「OEM製造」だけでなく、「原料開発」や「機能性表示食品の届出支援」など、上流から下流まで一貫して取り組んでいる点に強く興味を持ちました。実際に留学をさせていただいて、原料開発の現場では、“出口”を強く意識した研究が行われていると感じました。基礎研究から積み上げていくアプローチでは、出口の意識が弱まりがちです。三生医薬さんのようにビジネススピードが早く、お客様に届く「機能性」を具体的に見据えている取り組みに魅力を感じました。

2.三生との学術交流から得たこと

制度を正しく理解し責任を果たす「ゲートキーパー」として学術交流で得た実務的視点

たけした:三生医薬へ企業間留学されていた当時、機能性表示食品制度に大きな衝撃が走る事件が起きていました。もともと、ある機能性表示食品に景表法に基づく措置命令が出ていて、それと同じ機能性関与成分の科学的根拠が同一だった88件の届出に対して、消費者庁から科学的根拠に疑義がある、という指摘がでました。当社も、OEMとして、この件については深く関わっていたのですが、当時のことはどう見られていましたか?


中澤さま:この事件に限らず、2015年に機能性表示食品制度がスタートしてから、制度自体の課題は運用の中でいくつかあったと思います。その度に、カゴメ社内では議論する場を設けていました。ただ、そもそもこの制度は事業者の責任で機能を表示するというものなので、事件の有無にかかわらず、カゴメとして自信をもって示せる根拠に基づいて、適切な表示を行い、お客様に機能価値を正しく伝えていく責任があると思っています。

特に、個人的には、機能性表示食品に関しては、「なんでもアリ」になってはいけないと思っています。売り手としては、キャッチーなワードに頼りたくなることもあります。ただ、そこでなんでも「いいです」と安易に言うことはできません。機能性表示食品制度が事業者の責任において表示をおこなう制度である以上、機能性のエビデンスを取り扱う私は、その責任を自覚し、“ゲートキーパー”としての役割を果たす必要があると考えています。


たけした:三生医薬での企業間留学中には、当社の学術課との交流の中で、SR(システマティックレビュー)に関するディスカッションを行いましたね。印象に残っていることはありますか?


中澤さま:いくつかのSRについてピックアップしていただき、それぞれの課題についてディスカッションしました。普段、自身の業務に関連する文献やSRには目を通していますが、あまり馴染みのない素材や機能についても意見交換できたのは、非常に新鮮でした。また、カゴメでは飲料を中心に機能性表示の届出を行っていますが、主にサプリメントでの届出をされている三生医薬さんと、「摂取形態の違い」という切り口で深いディスカッションをさせていただいたことも、大変有意義でした。こういった学びは、留学後に、自身で作成したSRの中でも確実に活かされています。

3.交流を終えた感想

「また交流したい」 学びと成長を実感できる貴重な機会

たけした:こういった実務寄りの議論を社外でできる機会はあまりないですよね。


中澤さま:機能性表示食品制度に変更があった際には、社内でもポイントを整理しながら勉強会などを開き、議論を行っています。ただ、日常的には、自社の素材や成分に関連する領域でのテーマが中心となるため、他社の届出事例も交えて実務レベルでの議論ができる機会は限られています。そういう意味でも、御社の学術課の皆さんとのディスカッションの場は非常に貴重な経験でした。


たけした:今後、また三生医薬との交流の機会があれば、参加してみたいと思われますか?


中澤さま:ぜひ参加したいです。制度周りでいろいろと変更があるので、情報交換の機会があるといいなと思います。単なる情報交換だけでなく、お互いのスキルアップにつながるような勉強会があるといいですね。

まとめ(この記事からわかること)

  • 機能性表示食品制度は事業者の責任において機能が表示されるものであるからこそ、販売する側の責任として制度やエビデンスの正しい理解が必要
  • 制度を正しく理解し、サイエンスに真摯に向き合う姿勢こそが、長期的なブランド価値を高める。そのためにも単に届出の資料作成を代行するサポートではなく、制度の理解が高く、度重なる制度変更にも素早く正しい情報を共有し、的確にサポートしてくれるパートナー選びが重要
たけした_6

三生医薬 マーケティング部 取材担当

たけした

健康食品業界歴20年以上のオジサン
健康食品に関する研究や商品企画を長年経験
趣味 ラーメン屋めぐり

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