皆さんこんにちは。
機能性表示食品の開発・届出を支援する妖精「木ノウ精」です。
富士山のふもとの三生医薬から機能性表示食品の開発に役立つ情報をお届けします。
本コラムは、2025年8月28日に執筆しています。
サプリメントを自社ブランドで販売したいと考えたとき、多くの企業が利用するのがOEM(委託製造)です。
しかし「OEMの費用はどれくらいかかるのか」「ロット数や仕様によって金額はどう変わるのか」と疑問を持つ方は少なくありません。
本コラムでは、サプリメントのOEM費用の相場や内訳、コストに影響する要因を詳しく解説します。
さらに、費用を抑える工夫のポイントや見積もり前に整理すべき仕様についても紹介するので、これからOEMを検討する方に役立つ内容となっています。
サプリメントOEMの費用感をしっかり理解して、自社の事業計画や販売戦略に活かしてください。
サプリメントOEM費用の相場を把握しよう

サプリメントOEMの費用は、生産数量や剤形、原料、パッケージの仕様などによって大きく変わります。
最小ロットで数十万円規模から始められる場合もあれば、高品質仕様や付加価値を重視すると数百万円単位になるケースもあります。
相場を把握することで、無理のない予算設計や製品の方向性を検討しやすくなります。
最小ロットでの費用、高品質仕様を選んだ場合の費用、そして金額差を生む条件を以下で確認していきましょう。
最小ロットの場合の費用目安
最小ロットでOEMを依頼する場合、一般的な目安は50万〜100万円前後です。
例えば、タブレットやカプセル状のサプリメントは製造工程や設備が確立されているためコストの変動が少なく、安定した価格で発注しやすい傾向があります。
そのため、小ロット対応を行うメーカーも増えています。
最小ロットは「まずは自社ブランド商品を試験的に販売したい」「リスクを最小限に抑えてスタートしたい」といった企業に適しています。
ただし、小ロット対応は1粒あたりのコストが割高になる傾向があるため、将来的に販売量を拡大する計画がある場合は、中ロット・大ロットに切り替える戦略を考えておくことが重要です。
高品質仕様・付加価値重視の費用目安
高品質仕様や付加価値を重視する場合、OEM費用は150万円〜300万円以上になるケースもあります。
例えば、オーガニック原料・機能性表示対応・特殊加工(コーティングやグミ状)・特殊包材などを選択すると、費用が大幅に上がります。
さらに、GMP認証工場での製造や品質保証体制を整えたOEMメーカーを選ぶ場合もコストは高くなる傾向があります。
こうした高品質仕様は、「他社との差別化」「ブランド価値の向上」「リピート率の確保」を目的とした企業に向いています。
初期費用は高くなるものの、消費者からの信頼や長期的な収益性を考えると、投資価値のある選択といえるでしょう。
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原料選定からエビデンス設計、
届出書類の作成・確認まで、
三生医薬が一貫サポートします。
ぜひお気軽にご相談ください。
相場の幅と金額差の条件整理
サプリメントOEM費用には大きな幅があるのが実情です。
費用差が生じる条件を整理すると、主に以下の要素が関係します。
生産数量 | 数量が多いほど1個あたりの単価は下がる |
---|---|
剤形 | 錠剤・カプセルよりもグミ・ゼリーなど特殊形状は高額 |
原料 | 一般的な原料に比べ、希少原料や機能性表示対応原料は高額 |
パッケージ | 既製容器は安価、特殊な容器や包材は高額 |
サポート体制 | 機能性表示食品の届出サポートやマーケティング支援を含めると追加費用発生 |
上記のように、同じ「サプリメントOEM費用」でも条件次第で大きく変動します。
自社の目的や予算に応じて、どの要素を優先するかを決めることが重要です。
費用の全体像を理解すれば、見積もりの比較や交渉もスムーズに行えるようになります。
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OEM費用を構成する5つの要素
サプリメントOEMの費用は単純な製造コストだけでなく、複数の要素が積み重なって決まります。
主な内訳は、以下の5つです。
- 初期費用
- バルク代
- 容器・ラベル費用
- 梱包・配送費
- その他
それぞれの費用項目を理解しておくことで、見積もり内容を比較しやすくなり、無駄なコストを削減できます。
以下では、各費用の特徴を順番に解説します。
初期費用
初期費用は、新しい処方設計や試作、品質試験などにかかる費用を指します。
処方をゼロから開発する場合は50万〜100万円程度かかることもありますが、OEMメーカーが持つ既存処方を活用すれば数万円に抑えられるケースもあります。
初期費用は最初の投資額に直結するため、新規参入企業は特に重要なポイントです。
テスト販売から始めたい場合は、既存処方の活用で初期費用を削減し、将来的にオリジナル処方に拡大していく方法もあります。
バルク代
バルク代とは、サプリメントの中身そのもの(粉末、錠剤、カプセルなど)の製造費用を指します。
使用する原料や製造方法によって価格は大きく変動します。
一般的に、機能性原料を多く配合した場合や製造工程が複雑であるほどコストが上昇します。
バルク代は製品の質と価格に直結するため、コストを抑えるだけでなく、ターゲット市場に合った処方設計が必要です。
容器・ラベル費用
容器やラベルは、商品イメージを左右する重要な要素です。
ボトル、アルミ袋、スティックタイプなど容器の種類によってコストが異なります。
また、デザインや印刷仕様を凝るほど費用は高くなります。
一般的には1商品あたり数十円〜100円程度が目安です。
容器やラベルは消費者の購買意欲に直結するため、コストだけでなくブランディングの観点からも慎重に検討する必要があります。
梱包・配送費
製品完成後の梱包や配送にも費用が発生します。
特にEC販売を行う場合は、個別配送や小ロット出荷が多くなるため、梱包コストがかさみやすいです。
OEMメーカーによっては物流体制までサポートしてくれる場合があり、その際にはメーカーが提示する見積もりに物流費用が含まれることもあるため、内容を確認しておくことが重要です。
その他
OEM費用には、上記以外にも広告規制対応、機能性表示食品の届出支援などが含まれる場合があります。
これらは製品を市場に出すうえで必要なプロセスであり、費用に含まれるかどうかで大きな差が出ます。
見積もりを取る際は「どこまでが含まれているか」を必ず確認し、追加費用が発生する可能性を把握しておくことが大切です。
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コストに影響する6つの要因
サプリメントOEMの費用は一律ではなく、製造条件や仕様によって変わります。
特に影響を与える要因は、以下の6つです。
- 剤形
- 生産数量
- 原料
- パッケージとデザインのこだわり度合い
- OEMメーカーの品質・サポート力
- 急ぎ発注時の追加費用
これらを理解することで、なぜ同じサプリメントでも見積もりに差が出るのかを把握できます。
それぞれの要因について、以下で詳しく見ていきましょう。
剤形
サプリメントの剤形には、錠剤、カプセル、粉末、ドリンクなどがあります。
錠剤や粉末は比較的コストが抑えられますが、ソフトカプセルやドリンクは高度な設備や技術が必要なため費用が高くなります。
製品コンセプトとターゲット層を踏まえたうえで、最適な剤形を選択することが費用対効果を高めるポイントです。
生産数量
生産数量が増え、製造ロットが大きくなるほど1個あたりの単価は下がります。
たとえば、ロットサイズが500個と5,000個では単価が数十円以上違うこともあります。
ただし、大ロットにすると在庫リスクが高まるため、初期は小ロットで始め、販売実績を見ながら徐々に拡大していくのが現実的です。
原料
サプリメントに使用する原料は費用を大きく左右します。
一般的なビタミンやミネラルは比較的安価ですが、希少原料や輸入原料を使用するとコストが上昇します。
また、機能性表示食品として届け出る場合は、エビデンスの要件を満たすための特定原料を選ぶ必要があり、費用が高くなりやすい点に注意が必要です。
パッケージとデザインのこだわり度合い
パッケージは商品の第一印象を決める重要な要素です。
デザイン性の高い化粧箱や特殊印刷を採用すると費用が高額になります。
ブランド戦略においてパッケージは重要ですが、過度に凝るとコストを圧迫するため、ターゲット顧客と販売チャネルに合ったレベルの仕様にすることが大切です。
OEMメーカーの品質・サポート力
OEMメーカーによっても費用は変わります。
品質管理が徹底しているメーカーや、機能性表示食品の届出サポートまで対応できるメーカーは、相場より高めになる傾向があります。
しかし、トータルで見ればリスク回避や販売スピードの向上につながるため、単なる価格比較ではなくサポート力も含めて判断することが必要です。
急ぎ発注時の追加費用
短納期での発注を依頼する場合、追加費用が発生するケースがあります。
特に繁忙期や工場の稼働状況によっては、割増料金が設定されることもあります。
急ぎの案件ではコスト増だけでなく品質面のリスクもあるため、余裕を持ったスケジュールを組むことが望ましいです。
費用を抑える工夫
サプリメントOEMでは、工夫次第でコストを抑えることができます。
特に効果的なのが、以下の3つの工夫です。
- 既存処方を活用して初期費用を削減する
- 徐々にロットを拡大する
- 容器・パッケージの簡素化によってコストを最適化する
無理に費用を削減するのではなく、販売戦略と合わせて最適なコスト配分を行うことが重要です。
既存処方を活用して初期費用を削減する
ゼロからの処方開発は費用がかかりますが、OEMメーカーが用意している既存処方を活用すれば初期費用を大幅に抑えられます。
既存処方はエビデンスや安定性が確立されている場合が多く、スムーズに販売を開始できるのも利点です。
新規事業立ち上げ時には既存処方で市場の反応を確認し、将来的に独自処方へ展開するとよいかもしれません。
徐々にロットを拡大する
最初から大ロットで発注すると在庫リスクが高まります。
初期は小ロットで始めて販売状況を確認し、需要が見えてきたら徐々にロットを拡大することで、無駄なコストを避けつつ単価を下げられます。
計画的にロットを調整することが費用最適化のポイントです。
容器・パッケージの簡素化によってコストを最適化する
容器やパッケージは費用に大きく影響します。
凝ったデザインや特殊加工を避け、シンプルで実用的な仕様にすればコストを削減可能です。
特にEC販売が中心の場合、過剰包装よりも軽量で扱いやすいパッケージが好まれるため、販売チャネルを考慮した容器選定が有効です。
見積もり前に確定すべき3つの仕様
OEMの見積もりを依頼する前に、最低限決めておくべき仕様があります。
具体的には、主に以下の3つです。
- ターゲットと製品コンセプトの明確化
- 希望剤形と生産数量の決定
- 品質・表示・認証要件の整理
これらを明確にしておくことで、見積もりが具体化し、不要なすり合わせによる時間や費用のロスを防げます。
ターゲットと製品コンセプトの明確化
どの顧客層に向けたサプリメントなのか、どのような悩みを解決する商品にしたいのかを具体的に定めることが重要です。
ターゲットとコンセプトを曖昧にしたまま見積もりを依頼すると、OEMメーカー側も仕様を決めにくく、費用が膨らむ原因になります。
希望剤形と生産数量の決定
剤形と生産数量は見積もり金額に直結します。
錠剤かカプセルか、粉末かドリンクかといった剤形を決定し、さらに初回の発注数量を明確に伝えることで、具体的な費用シミュレーションが可能になります。
品質・表示・認証要件の整理
機能性表示食品として展開するのか、GMP認証を必須とするのか、どのレベルの品質保証を求めるのかを事前に整理しておくことが必要です。
要件を明確にすることで、追加費用の有無がわかり、トラブルを防ぐことにつながります。
まとめ
サプリメントOEMの費用は、原料やロット数、パッケージの仕様など複数の要素によって変動します。
あらかじめ相場や内訳を理解しておくことで、予算を立てやすくなり、開発が失敗するリスクを減らすことができます。
今後の市場展開を見据えるのであれば、費用面だけでなく、製品の差別化や制度対応まで含めた設計が求められるでしょう。
実際に自社製品の開発を進める際には、OEM費用の目安だけでは判断が難しいケースも多いものです。
専門的なサポートを受けながら進めることで、スムーズな商品化につながります。
三生医薬では製造に加え、制度対応や開発支援も行っているため、具体的な検討を進める際はぜひご相談ください。
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