皆さん、こんにちは!
機能性表示食品の開発・届出を支援する妖精「木ノウ精」です。
この記事を執筆している2025年1月7日現在、三生医薬のある富士・富士宮からは雪化粧をした美しい富士山を見ることができます。
さて、他の機能性コラム(「機能性表示食品の届出について」「機能性表示食品 開発の道標」)の中で、機能性表示食品の開発・届出においては、サポートしてくれるOEM選びが重要ということをお伝えしました。しかし同時に、「重要ということはわかったけど、どうやってOEMを選んだらいいの?」という疑問をお持ちになった方もいらっしゃったのではないでしょうか?
そこで今回は「OEMの選び方」について深堀りしていきたいと思います。
1.はじめに:OEM選びの重要性
特に機能性表示食品を初めて開発しようとする企業にとってOEMの選定は、開発する商品の成否を決めるといっても過言ではないくらい重要なステップです。
OEMによって商品の品質やコスト、供給の安定性などが変わってくるのはもちろんのこと、商品の企画提案や特許調査といった単なる受託製造の枠にとどまらないサービスを提供しているOEMもあり、サポートの手厚さが異なります。
特にサプリメント形状の機能性表示食品の製造においてはGMPへの準拠が必要といった法的要件が存在する他、届出資料の作成には高度な専門性が要求されるため、法的な要件に対応でき、届出資料の作成サポートができるOEMを選ぶ必要があります。
そこでこの記事ではサプリメント形状の機能性表示食品にフォーカスして、OEMの選び方についてまとめていきたいと思います。
なお、サプリメント形状の機能性表示食品は、一般的に「健康食品のOEM」が受託製造に対応していますので、記事中でもこの言い方を採用しています。
それでは次に、そもそも健康食品のOEMとは何なのか、OEMを使うメリットについて見ていきましょう。
2.健康食品のOEMとは?
OEMとは「Original Equipment Manufacturer」の略で、一般に他社ブランドの商品を製造する企業のことを差し、様々な業界に存在します。健康食品業界においては、ブランドオーナーの依頼を受けて、OEMが商品の開発から製造、包装までを行い、依頼主のブランドで販売されることが一般的です。
表. 機能性表示食品をOEMで製造するメリット
3.OEMの探し方
健康食品(機能性表示食品)のOEMの情報を得るための手段は複数あります。
以下に、具体的な方法と注意点を説明します。
3-1. インターネット検索

インターネット検索は、最も手軽にOEMを探すことができる方法です。Googleなどの検索エンジンを使って「機能性表示食品 OEM」「機能性表示食品 届出サポート」といったキーワードで検索すると、複数のOEMがヒットします。
ただし、最良のOEMが上位表示されるわけではないので、OEM各社のページを自分の目で見て比較をしながら自社にとって最適なOEMを選ぶ必要があります。
3-2. まとめサイト
操作としては3-1と同じインターネット検索が入口になりますが、OEMのまとめサイトではOEM各社の情報が一覧またはランキング形式で紹介されており、効率的な情報収集が可能です。

ただし、情報に偏りや誤りがあったり、ランキングの根拠が曖昧なこともあるので、情報を100%鵜呑みにせず、候補企業の公式ページを確認したり、実際に話をきいてみるなど、最終的にはご自身の目で見極めることをおすすめします。
まとめサイトはあくまでも参考情報として、他の手段と併用してパートナーとなるOEMを選ぶのがよいかもしれません。
3-3. 業界紙の情報

健康食品業界の代表的な業界紙には「健康産業新聞」「ヘルスライフビジネス」「健康産業流通新聞」などがあります。これらの業界紙では、定期的にOEMを紹介する特集が組まれていたり、OEMが広告を出していたりするので、効率よくOEMを探すことができます。業界に精通したメディアが出している情報であるため、情報の信頼性が高いことが特徴ですが、紙面には限りがあるため、詳細な情報を得るためには他の手段も必要です。
3-4. 展示会

健康食品業界の代表的な展示会として「健康博覧会」「健食原料・OEM展」「HFE JAPAN」「食品開発展」などがあります。展示会では複数のOEMと直接対話する機会が得られるため、効率的かつ深い情報を得ることができます。ただ、近年はOEMの出展社数にバラツキがあるため、事前に展示会のホームページなどで出展社情報を調べてから視察に行くとよいと思います。
3-5. 業界関係者からの紹介や口コミ

原料・包装資材メーカーやコンサルティング会社、すでに機能性表示食品の販売を行っている同業他社などにツテがある場合は、取引があるOEMについて情報を教えてもらう方法もあります。生の情報が得られるというメリットがある一方で、情報に偏りがある可能性もあるため、やはり複数の角度から情報を収集して比較するのがおすすめです。
OEMの探し方がおわかりいただけたところで、次は選び方です。
4.OEM選定のポイント
機能性表示食品の受託製造が可能な複数のOEMから適したパートナーを探すうえで、どのようなポイントを比較したらよいのでしょうか?
ここでは、OEM選びを失敗しないために、おさえておきたい7つのポイントについて解説します。
4-1. 品質管理体制
製造及び品質の管理体制は、商品の品質と安全性を確保するうえで最も重要なポイントです。わかりやすい品質管理体制の見極め方は、取得している認証を確認することです。
代表的な品質認証としては、健康食品GMP、ISO22000、FSSC22000などがあります。
特にサプリメント形状の機能性表示食品は、2024年9月の法改正によりGMP(Good Manufacturing Practice:適正製造規範)に基づく製造管理が義務付けられたので、健康食品GMPを取得しているOEMを選ぶとよいでしょう。
4-2. 価格
製造委託にかかる費用は商品の原価に直結する重要な要素ではありますが、価格が安すぎる場合は品質に問題がある場合もあるので注意が必要です。初めて機能性表示食品の開発をしようとする場合など、機能性表示食品について詳しくない場合は、多少価格が高くても実績が豊富で商品開発や届出のサポートが手厚いOEMを選ぶことをおすすめします。
4-3. 対応可能な剤形の種類
一口に健康食品やサプリメントといっても、ソフトカプセル、ハードカプセル、錠剤、顆粒、ゼリー、ミニドリンクなど様々な剤形があり、OEMによって、自社で対応できる剤形や得意とする剤形が異なります。予め剤形が決まっている場合は、その剤形を得意とするOEMを選ぶのも一つの手ですが、実際はつくりたい商品の機能性(訴求)やメイン原料が決まっていても剤形は未定であることも多いです。その場合、様々な種類の剤形に対応できるOEMを選ぶと、商品のコンセプトや原料の特性に合わせて最適な剤形を提案してもらえるのでおすすめです。
4-4. 受託製造実績
製造実績や経験の豊富さからOEMを選ぶのも有効です。
製造実績が豊富なOEMは、過去に様々な種類の健康食品を開発・製造している分、多くの知見やノウハウを蓄積しており、依頼者の要望や課題、予期せぬトラブルにも適切に対応することができます。
商品の機能性や安全性を担保したり、賞味期限を決めたりするうえで重要となる原料や成分同士の組み合わせや、使用する原料に応じた適切な製造方法、安定性の情報の多さは、製造実績のある健康食品の種類の多さとデータの蓄積に依るため、製造実績の豊富なOEMにはこれら情報の提供が期待できます。
4-5. 提案力・課題対応力
商品をつくるからには、独自性が高く売れる商品をつくりたいもの。製品の企画や開発は自社で…という企業は製造だけを委託することもできますが、OEMからの提案を期待する場合は、商品の企画提案の専門部署を有し消費者のニーズや市場トレンドを踏まえた企画提案ができるOEMを選ぶのがおすすめです。
また、取扱い原料の多さや、オリジナル原料の開発力は商品設計の幅を広げ、競争力のある商品開発につながるため、取扱い原料に関する情報も重要な選定基準になります。
特徴のある製剤や包装の有無も商品の付加価値を左右するため、おさえておきたいポイントです。
4-6. 機能性表示食品の届出サポート能力
別のコラム(機能性表示食品の届出について)でもお伝えしたとおり、機能性表示食品の届出資料の作成とスムーズな受理には高度な専門性と経験が求められます。届出が受理されなければいつまでも商品を機能性表示食品として販売することができず、発売時期が遅れて商機を逃してしまいますし、そもそも開発した商品が機能性表示食品としての要件を満たしていない場合、設計や試験のやり直しといった最悪の事態も起こり得ます。
あくまでこれは極端な例ですが、届出に慣れていないOEMだと十分なサポートが得られず、自力で膨大な届出資料を用意することになるので、その労力は計り知れません…。
4-7. レスポンスの速さ
いざOEMを使うとなると、商品設計、見積り提示、試作、納期確認など、様々な場面でやりとりが発生します。特に初めての機能性表示食品の開発となれば、質問や相談をしたいという場面も多くなるでしょう。そんな中、問合せをしても一向に返事が来ない、何かを依頼しても対応に時間がかかるとなると、担当者はストレスがたまるうえに、開発の遅れにもつながります。
まずは、初回の問合せなどで、レスポンスの速さや対応の質や丁寧さを確かめるとよいでしょう。
【参考】みんなは何を基準にOEMを選んでる?
2023年6月に、健康食品の製造を委託している会社に勤務しOEMの選定に関与している方179人を対象に、三生医薬が独自に行ったインターネット調査によると、「品質管理体制を重視する」という声が最も多く、次いで「価格」「提案力・対応力」の順でした。商品の企画提案力や機能性表示食品の開発・届出サポートを含む「提案力・対応力」はかなり上位にランクインしています。
この調査では「健康食品の製造委託先」についてきいているため、「機能性表示食品の製造委託先」に限定した場合は、機能性表示食品の受託実績やサポート内容の重要度がさらに増すと予想されます。実際、機能性表示食品を販売する企業16社へのヒアリング結果では、ほぼ全ての会社が機能性表示食品の開発・届出サポートの対応力も重要な選定基準の一つであると回答しました。
※調査概要
調査方法 : インターネット調査
調査地域 : 全国
対象条件 :勤務先企業が健康食品の製造を委託しており、本人が委託先決定に関与している方
実施期間:2023年6月12日~6月14日
回答者数:179人
5.OEM選定のステップ
これまでにOEMの探し方や選定のポイントについて説明してきましたので、次は最適なOEMを選定するまでの具体的なステップについて解説します。ここで紹介するステップを踏むことで、最適なパートナーを見つけることができます。
5-1. OEMに求める要件の整理
まずはOEMに求める要件を明確にすることが重要です。そのために、つくりたい商品のイメージやコンセプト、納期、予算、品質要求、製造以外にサポートしてほしい内容などを整理し、要件を満たすOEM候補を探します。OEMによって強み・弱みが異なるため、何を重視するのか優先順位も決めておくとよいでしょう。
例)
⚫️ 商品イメージ:表示したい機能性、配合を希望する成分、剤形、包装形態 など
⚫️ 納期 :いつまでに商品がほしいか(=発売までのスケジュール)
⚫️ 予算 :開発や製造にかけられる費用や、商品の希望販売価格 など
⚫️ 品質要求 :品質認証の有無、品質管理体制 など
⚫️ サポート内容:商品の企画提案、パッケージ表示の作成、機能性表示食品の届出サポート、独自原料の開発、特許調査、販促サポート など
5-2. 候補企業の調査・選定
この記事の「3. OEMの探し方」「4. OEM選定のポイント」で紹介した内容を踏まえて、複数の候補企業を選定します。
5-3. 候補企業の評価
いくつかの候補企業に絞り込んだら、候補企業とコンタクトを取り、会社紹介や商品提案、概算見積などを依頼しましょう。それにより、その会社の特徴のみならず、担当者の対応力やサポート体制、提案の質、コスト等の詳細についても知ることができます。
実際に候補企業を訪問し、工場や開発施設などを見学させてもらうのも、会社の雰囲気を肌で感じたり、製造・品質管理の体制を評価するうえで有効です。
5-4. 最終調整と契約
最終的に選定した企業と委託内容を詰め、契約を締結します。
このときに、委託内容とサポートの範囲、情報の取扱い(秘密保持)、知的財産が生じた場合の帰属、商品に不具合が発見された場合の責任の範囲などについても予め取り決めておくとよいでしょう。
6.OEM選定の成功事例と失敗事例
6-1. 成功事例
① チームワークが成せる対応力で超短期間での上市に成功
担当営業だけでなく、商品設計、試作といった各プロセスの担当者と直接やり取りができたので、原料調査から商品設計、試作等のプロセスがスムーズに進み、通常は半年程度かかるところが4ヶ月という超短納期で製造・包装まででき、計画どおりのタイミングで商品を発売できた。
② 初めての届出にもかかわらず一発受理に成功
機能性表示食品の届出サポート実績が豊富なOEMに委託したおかげで、届出資料の作成方法についてわかりやすい説明があり、ミスのない届出資料を作成できた。実際の届出作業もリモートでサポートしてもらえたので、迷わずに作業できた。
③ 特許抵触リスクの回避
当初自社内で考えていた処方が他社特許に抵触していることを、委託先のOEMの知財担当が気づき、製造に入る前に処方変更することができた。そのまま開発を続けていたら、他社特許を侵害し、特許の実施料を支払うことになりかねなかった。
6-2. 失敗事例
① 届出資料の作成に難航
機能性表示食品の届出サポートをしていると宣伝しているOEMに委託をしたものの、そのOEMが自社商品で届出をした限られた経験しかなく、十分なサポートが得られなかった。結局自力で届出資料を作成したが、はじめての届出で勝手がわからず、資料作成だけで半年かかってしまった。
② 想定外の価格と対応の遅れ
十分な確認をせずにOEMを決めてソフトカプセルの製造を委託したところ、そのOEMはソフトカプセルの製造設備を持っておらず、さらに別の会社に再委託していたため、質問や確認事項に対するレスポンスが遅く、開発に時間がかかってしまった。
また、ソフトカプセル製造設備を有するOEMに比べて、価格も高いことがわかった。
③ 品質管理の不備
商品の原価を下げるため価格重視でOEMを選んだら、品質管理が不十分だったために規格外の商品ができてしまい全て作り直しになってしまった。
7.まとめ
健康食品のOEMは、単に製造を受託するだけではなく、商品の企画から機能性表示食品の届出、商品の販促にまで関わることから、OEM選定は機能性表示食品のビジネスの成否を左右する重要なプロセスです。
機能性表示食品の場合は、通常の健康食品と同様に品質管理体制や取扱剤形と技術力、提案力などを確認することに加え、機能性表示食品の開発・届出のサポート実績やサポート内容の手厚さについても重要なチェックポイントになります。価格ももちろん重要な要素ですが、他の要素とのバランスや、自社の能力や経験を考慮しながら選定するとよいでしょう。
この記事を読んでくれた皆さまが最適なパートナーと出会い、売れる機能性表示食品の開発に成功されることを祈っています!
OEM選定の際には、三生医薬も候補の一つに入っていることを願いつつ、また次回の記事でお会いしましょう。