機能性コラム

2025.04.07

投稿日 2025.03.29

販促担当者必見! 機能性表示食品の広告表現:守るべきポイントと注意点

機ノウ精くん

木ノウ精くん

皆さん、こんにちは!

機能性表示食品の開発・届出を支援する妖精「木ノウ精」です。

富士山のふもとの三生医薬から機能性表示食品の開発に役立つ情報をお届けします。

 

第7回の機能性コラムは機能性表示食品における広告表現の注意点についてです。本コラムは2025年3月28日に執筆しています。

 

機能性表示食品とは、科学的根拠を基に機能性を表示できるものです。機能性表示食品制度ができる以前は、多くの販売会社がどうすれば広告上で商品が訴求したいポイントを暗示できるかということに頭を悩ませ苦労されていたと思います。表現を工夫した結果、言い過ぎてしまうと薬機法や景表法違反になってしまうし、かといってうまく訴求できなければ売れないということになります。機能性表示食品制度ができ多くのプレーヤーが安心して機能性を訴求できるようになったことで、今までの保健機能食品以外のいわゆる健康食品(保健機能食品やいわゆる健康食品の区分についての解説はこちら)とは段違いに売りやすくなると感じられているのではないでしょうか。しかし、機能性表示食品であればなんでも表現できるというものではありません。

 

この記事では、機能性表示食品を開発後、実際に販売するときの広告上の注意点などをまとめています。皆さまが機能性表示食品を販売する際にぜひお役立てください。

1. はじめに

機能性表示食品制度は、届出者の工夫次第で商品に魅力的な機能性を記載することができる制度ですが、広告などで自由に表現してよい制度ではありません。広告表現においては景品表示法や健康増進法など関連法規にも注意しながら販売をしていかないといけません。これまでに機能性表示食品の広告表現で措置命令がでたことも複数件ありますので、ご注意ください。消費者庁から問題となる広告の表示例も示されています1-3

2. 問題となる広告表現の例

具体的な例を以下に9つ示しました。それぞれについて、解説していきます。

① 届出内容を超えた広告表現

届出されている表示内容を超える表示をする場合には虚偽誇大表示等で景品表示法や健康増進法上の問題となる可能性がありますのでご注意ください。
例えば、2017年には届出された機能性の表示内容が「肥満気味の方の内臓脂肪を減らすのを助ける機能がある。」にもかかわらず広告表現全体から、あたかも運動や食事制限せずに、誰でも容易に痩身効果が得られるような表示がされているものに対して景品表示法違反ということで措置命令が出されました。届出された資料に使われた研究では運動や食事制限がされていたため、広告表現と試験条件との乖離があり問題視された例です。

② 特定保健用食品と誤認されるような広告表現

特定保健用食品は、表示される効果や安全性について国が審査を行い個別に表示の許可を得たものです。特定保健用食品と機能性表示食品を同じシリーズとして商品名、デザイン、キャッチコピーなどを類似させ、広告などで並べて表示することで、シリーズ商品全体が特定保健用食品と誤認させるような表示は問題となる場合があるのでご注意ください。

③ 国の評価、許可等を受けたものと誤認されるような広告表現

機能性表示食品は国による評価、許可等を受けたものではなく、届出資料の形式的なチェックを消費者庁がおこない、あくまで届出者の責任において機能性が表示されるものです。
「消費者庁承認」、「消費者庁長官許可」、「○○省承認」、「○○省推薦」、「○○省確認済」、「○○政府機関も認めた」と表示するなど、国や公的な機関により許可や承認を受けたものと誤認される表示をすると問題となる場合があるのでご注意ください。
広告表現ではないですが、時々、「機能性表示食品として消費者庁に申請している」や「機能性表示食品の申請をサポートします」という表現を見聞きすることがあります。申請とは、一般的に「国や公共機関等に対して認可・許可等の行為を求めること」になります。機能性表示食品はあくまで届出者の責任において消費者庁に届出されるものであるため、申請とは異なります。

④ 表示の裏付けとなる科学的根拠が合理性を欠いている場合

機能性表示食品は、国が審査を行った上で許可等をされるものではなく、あくまで届出者の責任で機能性を表示するものです。そのため、表示の根拠となる届出資料の内容に合理性がないと認められる場合には、景品表示法上の問題となる可能性があります。機能性を表示するための科学的根拠の考え方や具体例について、いわゆる事後チェック指針で示されているので参考にしながら確認することをお勧めします。ただしこれについては、広告表現というより届出時にしっかりと資料の内容を確認することが大切です。

⑤ 医師や専門家等の推奨等を使った広告表現

医師や専門家の推奨が直ちに景品表示法上問題となるわけではありませんが、内容が届出された機能性の範囲を逸脱している場合は、問題となる可能性があるためご注意がください。その他にも以下のような場合は景品表示法上の問題となる場合があります。

  • 権威者による推奨文で特定の疾病名を示すことで、その疾病の予防や治療効果が得られるように受け取られる場合
  • 推奨等の事実がないのに、推奨を受けているように表示する場合
  • 推奨の都合の良い部分だけを引用している場合
  • 肯定するように依頼して行われた推奨であるにもかかわらず、客観的な立場から推奨したかのように示されている場合
  • 推奨者の肩書が事実に反して、あたかも信頼される専門家であるかのように示した場合

⑥ 体験談を使った広告表現

体験談は消費者が商品選択をするうえで大きな影響を与えているので多くの届出者が広告表現で使っている手法の1つです。ただ以下のような場合は景品表示法上の問題となる可能性があるのでご注意ください。

  • 架空の体験談
  • 都合の良い体験談のみを掲載
  • 届出者(販売者)から肯定的な意見を話してもらうよう依頼した体験談なのに、一般の利用者の意見のように示した場合

体験談の多くに「個人の感想です」という打消し表示がされています。打消し表示があれば免罪符となるわけではありません。打消し表示は、体験談で示された効果に係る打消しではないので、届出された機能性の範囲を逸脱していないか注意が必要です。

⑦ 届出表示又は届出資料の一部のみを引用した広告表現

例えば、届出されたヘルスクレームでは「肥満気味の方の、体重やお腹の脂肪を減らすのを助ける機能が報告されています」として届出されているにもかかわらず、広告表現としては「体重やお腹の脂肪を減らすのを助ける」と一部のみを切り出して表現してしまうと、肥満気味でない方にも効果があるかのように誤認させることになります。肥満気味ではない方の体重やお腹の脂肪が減るような文言や画像を示すことも景品表示法上の問題となる可能性があります。

2024年9月の改正で、パッケージへの抜き出し表現もNGとなっています。ヘルスクレームから機能性関与成分を外したり、文末の「機能が報告されています」を除外したりして、あたかも商品自体にその機能があるように見せることができなくなっています。すでに生産されている包材の無駄がないように2026年8月末までの猶予期間はありますが、広告表現にあわせて新たにパッケージデザインを作成するときにも注意が必要です。

⑧ 広告に使う実験結果やグラフ

広告において試験結果のグラフを示すことは視認性が高く消費者に対して強いアピール力がある一方で、グラフの見せ方によって消費者に誤認させるような蓋然性がある場合は景表法上問題となる可能性があります。
例えば、極端なトリミングやスケール調整をすることで過大な効果があるように見えることも景品表示法上の問題となる可能性があります。

出典:一般社団法人健康食品産業協議会 公益社団法人 日本通信販売協会 「機能性表示食品」適正広告自主基準4

⑨ 機能性関与成分以外の成分の強調

例えば、「○○(機能性関与成分)に血中コレステロールを低下させる機能があることが報告されています」というヘルスクレームで、▲▲という別成分を配合した商品で、「○○(機能性関与成分)だけじゃない!さらに、コレステロールが気になる方の味方、▲▲配合」や「サポート成分▲▲配合」など、あたかも▲▲が機能性関与成分であるかのような広告は景品表示法および健康増進法上問題となる恐れがあります。

3. おわりに

時間をかけて、苦労して開発した商品であれば、当然売れて欲しいものです。販促の担当者は思い入れが強くなりすぎて、つい行き過ぎた広告表現をしてしまいがちになるのは理解できますが、消費者庁から景表法違反で措置命令を受けてしまうと、課徴金により経済的な制裁を受けるだけではなく、報道などにより自社の信頼を失墜させることにもなりかねません。
機能性表示食品制度は届出者に責任があります。ルールを正しく理解して、その中で最大限、何が表現できるのか知恵を絞り、息の長い商品に育てていけるといいですね。しかし自分たちだけで理解しようとすると多くの資料を読まないといけなくなり、またその背景なども含め多くの情報を入手して総合的に考えていく必要があり大変です。OEMやコンサルなどにも相談してサポートを受けながら理解を深めていかれることをおすすめします。

■参考資料

機ノウ精くん

機能性表示食品の開発・届出を支援する妖精。

木ノウ精くん

三生医薬のオフィスや工場に出没する。
飲むと元気になる魔法の錠剤・ソフトカプセル・ハードカプセルの実が成っている。
仲良くなると、実をもぎって分けてくれるらしい。
季節によって若干見た目が変化するという噂も…。

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