開発秘話

2025.06.04

投稿日 2025.05.26

生菌原料の王道でありながら、さらなる進化をつづけるビフィズス菌BB536 プロバイオティクスのさらなる可能性を拓くために進み続けるビフィズス菌BB536の「物語」に迫る

なぜ今『ビフィズス菌BB536』が注目されるのか?

乳酸菌やビフィズス菌に代表されるプロバイオティクス市場。

整腸作用や免疫強化など、プロバイオティクスの健康上のメリットに対する消費者の関心の高まりとともに急拡大を続ける本市場には、多くのプロバイオティクス原料が存在し、まさに群雄割拠の様相を呈しています。

その中でもひときわ存在感を放つのが森永乳業の「ビフィズス菌BB536」です。

機能性表示食品においても累計120件以上の採用数を誇る「ビフィズス菌BB536」の魅力に迫るため、今回は森永乳業株式会社を訪問し、営業・マーケティング担当の方々にお話をうかがいました。

 

※2025年4月2日現在の届出受理件数(消費者庁のデータベースより)

  • 左からマーケティング担当の井上さん、営業担当の岸さん

赤ちゃんの健康を守る鍵?ビフィズス菌研究の始まり

森永乳業は、1917年(大正6年)に日本煉乳株式会社として創業し、牛乳やヨーグルト、育児用ミルクの製造・販売を行っていましたが、いかに母乳に近づけるかが課題でした。研究を進める中で、母乳を飲む赤ちゃんと粉ミルクを飲む赤ちゃんでは腸内環境に差があり、調べていくと母乳を飲む赤ちゃんのお腹にはビフィズス菌が多いことがわかってきました。このことをきっかけに、森永乳業では1960年代からビフィズス菌研究がスタートしています。

ビフィズス菌BB536の発見

研究の結果1969年に赤ちゃんの腸内から発見されたビフィズス菌BB536は、ヒトにすむ数種類のビフィズス菌が苦手とする酸や酸素に強く、大腸に到達できる菌です。

1978年に発売された、みなさんお馴染みの「森永ビヒダスヨーグルト」には、ビフィズス菌BB536が入っています。

ビフィズス菌でありながら比較的酸素に強い性質をもつビフィズス菌BB536は、おいしいヨーグルトをつくるために最適なビフィズス菌でした。

1996年にはビフィズス菌BB536を使用した「森永ビヒダスプレーンヨーグルト」がおなかの調子を整えたい方に適する食品の1つとして特定保健用食品の表示許可を得るまでになりました。

研究者の熱意が可能にしたビフィズス菌の粉末化

「今でこそビフィズス菌は粉末原料として流通していますが、実はすごくハードルが高かったんです。」

そう教えてくれたのは、森永乳業の古くからの歴史を知るマーケティング担当の井上さん。

ビフィズス菌を食品に入れたいという要望から粉末化の検討が始まりましたが、菌を長時間生きた状態に保つことが非常に難しかったそうです。

「丈夫な菌をつくるしかない!」そう思った当時の研究者は何万通りもの気の遠くなる検討を繰り返し最高の粉末原料を作り上げました。

井上さん 「『ビフィズス菌はいい菌だから広めたい。たくさん使ってほしい!』そんな熱い思いが研究者を突き動かし、国内で初めて食品にビフィズス菌を入れるという偉業を成し遂げることができたのだと思います。」

乳業メーカーが大切な財産である菌株を外販するのはあまり事例のないこと。それでも自分たちが良いものと信じるビフィズス菌BB536を多くの人に使ってもらうために外販に踏み切ったところに“森永乳業らしさ”があるのかもしれません。

  • 当時の中央研究所製品検査室

  • ビフィズス菌BB536

50年以上の研究に裏付けられた安全性と機能性

ビフィズス菌BB536の最大の特徴は、なんといっても販売実績と研究期間の長さ。

日本では1971年から販売実績があり、世界でも累計30カ国以上での使用実績があります。

加えて、50年以上にわたるビフィズス菌、腸内フローラ研究の結果、ヒトにすむビフィズス菌研究論文数では世界一となっています。中でも機能性表示に対応し、注目を集めるのが「整腸作用」と「鼻の不快感の軽減」。

井上さん 「ビフィズス菌BB536は、赤ちゃんからご高齢の方まで幅広い年代の方のおなかに棲息するロンガム種、という菌なんです。そのため、年齢を問わずいろんな方のおなかにフィットして、それぞれの腸内環境にアプローチしてくれます。」

こうした特徴が製品コンセプトに繋がるため、ビフィズス菌BB536の採用は整腸サプリが圧倒的に多く、お通じに悩む女性やご高齢の方が主なユーザーとなっています。しかしそこに留まらず近年では「ビフィズス菌トレ」プロジェクトを立ち上げ、アスリート向けにビフィズス菌BB536の有用性を訴求するなど、ユーザー層を広げる活動にも力を入れています。


※ナレッジワイヤ社調べ、2025年1月時点(PubMed・医中誌WEBにて企業による研究論文数で世界一)

■ヨーグルトの少量摂取による便秘の改善効果

■ビフィズス菌トレプロジェクト

更に高まった安全性への関心を追い風に

2024年3月末に発生した社会的事件によりサプリメントの安全性を疑問視する声があがり、市場は大きな打撃を受けました。

ビフィズス菌BB536の製造工場は国際的な食品安全規格「FSSC22000」の認証を取得しており、工程管理や予期せぬ危害要因を考慮した対策がとられています。これらの情報は資料としてユーザーに提供されており、ビフィズス菌BB536の安全性に対する信頼を高めることにつながっています。

ベース素材としてあらゆる訴求に展開。新たなヘルスクレームによる差別化も

「整腸作用のイメージが強いビフィズス菌ですが、実はいろんな訴求に対して提案ができるんです!」と自信たっぷりに語ってくれたのは営業担当の岸さん。

目と関節以外は腸が関与しているといわれており、美容や免疫、近年話題のフェムケアなど様々な健康課題に対してビフィズス菌の研究が進められています。また比較的コストパフォーマンスの良い原料なので、体感と差別化要素を与える副素材として、各訴求の代表的な素材と組み合わせるのがおすすめです。

「森永乳業には機能性表示に対応した原料が複数ありますので、そちらも是非とも検討いただきたいです。」と井上さん。

イチオシというビフィズス菌MCC1274は、単一のビフィズス菌生菌体のみで世界で初めて加齢に伴い低下する認知機能を維持する働きが報告されており、「認知機能に不安がある」といった根源的なお悩みに寄り添うことができます。また、多機能タンパクであるラクトフェリンでは、「免疫機能の維持」に加え、「のどの乾燥感を軽減する」というダブルヘルスクレームにて、機能性表示が受理されました。


※ヒト臨床試験において単一のビフィズス菌生菌体のみで加齢に伴い低下する認知機能(記憶力)を維持する働きが世界で初めて論文報告された(PubMedと医中誌WEBより、ビフィズス菌と認知機能および記憶のキーワードを用いたランダム化比較試験の文献検索結果。ナレッジワイヤ社調べ)

「お腹の調子がいい」以上の価値を届けたい!

お腹の調子が良ければハッピーだし、悪いと気分が下がる。それは当たり前のことのようですが、近年では「腸脳相関」と言って、腸と脳が互いに影響を与えあうことは科学的に立証されています。

井上さん 「『整腸といえばビフィズス菌』から脱却してさらにその先、腸を整えることでどんないいことがあるのかを伝えることが今後の成長には必要と考えています。サプリメントを摂取する人を増やすのがなかなか簡単ではないからこそ、摂取し続けてもらえるものにしなければいけない。そのためには、『腸内環境を整える』だけではなく、『腸内環境を整えることによる、様々な健康へのサポート』がキーワードになると見ています。」

森永乳業では強いこだわりと情熱と高いスペシャリティーを持った研究員が日々切磋琢磨しており、腸内フローラやビフィズス菌について基礎から応用まで日々新たな発見が生まれています。

貪欲に進化を続けるビフィズス菌BB536を主軸とした森永乳業のビフィズス菌展開に今後も注目していきたいと思います。

  • 今後の展望を語るマーケ担当の井上さん

  • ビフィズス菌が配合された商品群(撮影日:2025年3月26日)

  • エントランスにて(左:岸さん、右:井上さん)

■森永乳業株式会社(https://www.morinagamilk.co.jp/

牛乳、乳製品、アイスクリーム、飲料その他の食品等の製造、販売を行う乳業メーカー。

乳で培った技術を最大限に活かしながら、安全で優れた品質を持つ商品を提供している。

設立 :大正6年9月

所在地 :東京都港区(本社)

代表取締役社長:大貫 陽一

従業員数 :3,302名(単体、2024年3月31日現在)

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